父親の業種を受け入れられた理由

 父親は大企業の製造部で作業者として働いていますが、物心がついた頃から父親と同じ業種には絶対にならないと心に決めました。そのため、将来は安定の公務員である教員を目指したわけでありますが、現在は父親と同じ作業者として働いています。

 

 働く企業は違えど、なぜ父親の仕事を嫌ったのか、なぜ今は同じ仕事を受け入れることが出来たのか、現在就活等で仕事に悩んでいる方の選択肢の一つになれば幸いです。

 

父親の仕事が受け入れられなかった理由

・肉体労働でつらそうだった

  仕事内容が製造部だけに肉体労働のため、休日は寝ていることが多かったです。また、交代勤務もあったため体力を消耗していたのかもしれません。そのため、子供のころはこんなにつらい思いをして賃金を得たくないと思ったの覚えがあります。

 

・家計運営が厳しそうだったから

 実家では父親の両親も同居していたため、扶養家族も多くお金がないが母親の口癖でした。そのため、あんなに大変な仕事なのに賃金が低いなんて割に合わないというイメージが生まれました。

 

 実際に給料明細を見せてもらっていないので、賃金が高いか低いかはわかりませんが、負のイメージが増えてしまうと嫌なものだと決めつけてしまうので、さらに受け入れられなくなりました。

 

・身体的危険と隣合わせ

 製造部である以上、加工機とはずっとお付き合いをしていかなければなりません。便利なものですが、操作を誤れば自分に危害が及ぶ危険なものです。残念ながら父親の勤務先でも、過去に事故があったとかなかったとかと話を聞きました。

 

 五体満足に生まれた以上、何かを失いたくないという思いから、製造は避けようと思って日々を過ごしてきました。

 

作業者という立場を受け入れなければならないタイミング

 父親の行動や言動からイメージは悪く、将来は公務員で安定を得たいという思いは強くなりました。教員を目指したのは、当時は人に何かを教えるのが得意だと思っていたからです。

 

 ですが、全日制高校で失敗し定時制高校に通ったことで、現在は父親と同じ立場を受け入れることができる出来事がました。

 

・仕事が自分に向いていた

 モノづくりに携わっていくなかで、自分自身が仕事を楽しんでいることに気がつきました。いままでも物を作ることは好きでしたが、定時制高校では切羽詰まっていたため、楽しむことを忘れたいました。

 

 ですが、仕事で無理難題を解決していく中で、その達成感や上司からの評価を受け、自分はこの仕事が向いているのだろうと思うようになりました。

 

・肉体労働も悪くない

 筆者はあまり動くのが好きではなかったのですが、肉体労働をしていくなかで体調が良くなっていくのが実感できています。いままではあまり健康を意識していませんでしたが、このことから肉体労働も悪くないものだと感じています。

 

・意外と低賃金ではない

 やはり基本給はそこまで高くありませんが、手当てが多いため現在の平均年収より所得があります。実家は扶養が多い中、父親だけの収入で家計をやりくりしていたので、家計が苦しかったのかもしれません。

 

1番の要因は仕事が楽しめる

 会社の雰囲気や担当業務の内容などは入社しなければわからない部分も多いですが、幸い現在の仕事は楽しめているので、このことが作業者という立場を受け入れれる要因の大半になっています。

 

 どんな職にもイメージだけではわかりずらいため、偏見で判断してしまうかもしれませんが、まずは経験してみることが大切だということを再認識させられた一件でした。